便宜上一般性のある呼び名で書いたけどぼくの地元ではこれを「ポッキンアイス」と呼んでいた。ひとりでふたつ食べるためにポッキン。友だちと分けるためにポッキン。なんだかおもしろい。ポッキンとアイスは最高のコロケーションである。懐かしい。友だちと分けるときにでっぱりがついてる方とついてない方、どっちにする?というやりとりをしたのを覚えている。でもどちらを選んでも結局変わりはなくて、でっぱりがついてるほうがちょっとだけ賞味量が多いくらいである。そんなもんである。しかしがめついやつは決まってでっぱりのある方を選ぶ、自分もそのひとりであった。だからでっぱりのある方を取られたら俺は激昂したね。ポッキンしてないアイスで取ったやつを打ちのめした。あのアイスって意外と硬くて、うまい具合にしなるので護身具で使われる「ブラックジャック」みたいになる。
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