狩猟免許の取得手続きが本当につらい

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 画像は罠

 

今日は狩猟免許を取得するための手続きをした。なぜ狩猟免許なのかということに関しては持ってたらかっこいいということが先行してしまうのだけど、目的としては祖父の狩猟を手伝うことにある。

 

結果から先に言ってしまうと手続きは完了できなかった。あまりにも手続きがは煩雑で。いやマジで。それら手続きのどれもが動物を殺させないようにする安全弁のように思えて仕方がない。

 

狩猟免許の手続きは、都道府県の各庁舎や、林務事務所に申請書を提出することで完了するのだが、その際準備するものが非常に厄介なのである。

 

必要なものは、

 

申請書

写真

収入証紙 (京都は5,200円だが他は知らない)

医師の診断書

 

の4つである。

 

申請書

これは狩猟免許を申請するために書く書類である。住所氏名といった一般的な項目を記入する。しかしこの書類は手に入れるのが難しい。というのもこの書類はネットでダウンロードすることができず、特定の施設へ向かわなければ入手できないのである。(京都府だったら、京都府総合庁舎と京都林務事務所、遠い)

屁理屈かもしれないがわざわざ取りに行くだけでも大変だ。まず俺は狩猟免許を取るんだぞという気概が必要なので。

 

収入証紙

これがまた厄介である。狩猟免許の手数料の払い込みは収入証紙で払わないといけない。収入証紙は収入印紙とは違う。収入印紙は郵便局で手に入るのだが、収入証紙は売っている場所が限られている。

 

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自動車学校、聾学校などそこまで行かなきゃなのかよってとこばかりである。区役所で売ってくれ。そういうときのためにあるんだから区役所は。

 

自動車学校に収入証紙もらいに行くのはイヤなので警察署に向かった。

警察署のどこでもらえばいいかわかんなかったので、テキトーにウロウロしていると「生活安全課」という市民の味方みたいな部署を見つけたのでそこの人に声をかけた。かけたら部署の中の人が全員こっち見てきた。怖い、やっぱり警察は怖い。みんな銃持ってるしパワーバランスがおかしい。ここで挙動不審になると警官に支給されている銃、M360J"SAKURAで蜂の巣にされかねないので進退極まってちゃいけない。近くにいたメガネの人に狩猟免許取りたいんですけどって言ったら「銃ですか?」と途端に態度を硬化させてきた。「罠です」と言ったら無事に収まったのだけどどっちでもいいだろ(狩猟免許には大まかに分けて銃猟と罠猟のふたつがある)。

受付で売ってくれると教えてくれてわざわざ送り届けてくれた。警察のカガミである。

 

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参考画像  https://goo.gl/images/10jR4q

 

こんな切手みたいなやつに5,200円。しかも何も悪いことしてないのに警察署まで行かなきゃいけない。射殺されかねない。イヤである。

 

診断書

診断書が1番しんどい。キッツい。本当にしんどい。

狩猟免許を取得するためには医師の診断書を提出しなければならない。健康だよ、はいオッケー、というふうにはいかない。その項目は精神疾患の有無を問うものであるからだ。

 

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こちらがその診断書の様式である。

 

統合失調症でないか、躁鬱病を患ってないか、てんかん持ちではないか、大麻、阿片を使用してないかという項目がある。

 

これらの項目は内科や外科では診断してくれない。精神科、心療内科の専門である。

 

警視庁HPの猟銃・空気銃所持許可の手続きについてのページにはこのように記載されている。

 

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/tetsuzuki/teppo/gun/index.html

 

 (注記3)診断書は、○精神保健指定医、○精神科、心療内科神経内科等を標榜し、2年以上精神障害の診断又は治療に従事した経験を
(注記4)有する医師、○過去に申請者の心身の状況について診断したことがある医師(歯科医師を除く。)が作成した診断書をいいます。

 

噛み砕くと、精神科の医師の診断書じゃないとダメで〜す、ということらしい。

 

(注記4)有する医師、○過去に申請者の心身の状況について診断したことがある医師(歯科医師を除く。)が作成した診断書をいいます。

 

ただ、ここを見ると、過去に心身の相談をして診てもらった医師でも問題ないらしい。たとえ産婦人科でも泌尿器科でも肛門科でも。ただし歯科医師はダメなようだ。なぜ。

 

私は、こんなん精神科医じゃなくて大丈夫だろ、と近くにある内科の病院に行ったら門前払いをくらった。「精神系の診断はちょっとできないです」とのこと。でもパッと見でわからないものなのか、こいつが精神を患ってるかどうか。

 

近所の病院を3件ほど回ったがダメだった。そのどれもが「うちでは対応が難しい」という答えだった。仕方なく検索窓に「京都 精神科」と入力して探すほかなかった。検索して出てきた病院に片っ端から連絡を入れたがつながらない。3回目でつながった病院の話を聞くと、精神科はどうやら午前中で診察を締め切ってしまうらしい。そしてその競争率もけっこう激しいようだ。午前中のほうがいくらか健やかであるのかな、と余計な想像をしてしまう。5回目につながったところは午後も受付をしているようだった。やっと診断書を受け取れると思いきや、初診の人間は診察までに1週間ほど時間がかかるらしい。予約がいっぱいですぐには診察できないとのことだ。精神科が予約でいっぱいってすごい、社会病理の巣窟である。

 

結果、診断書を入手することはできなかった。自分が大丈夫かどうかを他人に確認してもらうのがこんなに大変だとは思わなかった。何件も精神科や心療内科に電話をかけているうちに自分が精神病のように思えてくる。

狩猟免許には、銃を使って狩猟する銃猟と、罠を仕掛けて猟をする罠猟がある。前者は銃を所持して猟を行うので、この人に銃を持たせていいものか、ということを精神疾患のもとに判断することは腑に落ちるのだが、罠猟にもそうした精神疾患の有無を問うのはおかしい。頭おかしい人が銃持ったら人をバンバン殺すかもしれないというのは納得できるが、頭のおかしい人が罠を仕掛けられるようになったからと言って人間にそんなに危害が及ぶとは考えにくい。銃は積極的に殺しに行くが、罠は”待ち”で受け身である。人殺すぞ~って罠仕掛けてずっと待ってるのはなんだかまぬけでかわいい。

 

第一、狩猟免許取ってまで動物殺したいってやつにまともな人間がいるわけないんだからそんなのでふるいにかけるのやめてくれ。

 

田舎では、昔と比べて猟師人口が減ったため、駆除されなくなったシカやイノシシの数が増えて、畑を荒らすことが多くなったという。私の地元、山口県では、イノシシ1頭につき7,000円駆除料がもらえるらしい。最近はサルも増えてるのでサル1匹につき30,000円駆除料が出ると祖父が言っていた。すごくない?そこまで値段が吊り上がってるのに猟師になる人口は少ない。最近は『サバイバル登山入門』や『山賊ダイアリー』といった狩猟の楽しさを紹介した本やマンガが登場しているのでいくらかスポットが当たってはいる。猪肉や鹿肉といったジビエ料理もなんかオシャレな人たちの間で人気を集めているらしい。確かに猪肉はうまい。野趣あふれる風味というか山の肉だなというが感覚でわかる。筋張っていて、脂が臭くて、たまらない。でも猟師がイノシシ殺さなきゃ食えない。だからこそ新たに猟師になる人間が必要なのにこんなに手続きが煩雑でわかりにくくていいのか。制度を見直すべきである。申請書をWEBでダウンロードできるようにして、銃猟以外の診断書を撤廃すべきではないか。これは私怨ではなくなんか本当にそうすべきだと思う。じゃないとヤバいので。何がヤバいって俺が免許取れないからヤバい。でも制度が改正されて新規層が流入して「イノシシ殺す系女子」とかできたら何かイヤである。

 

今回は取れなかったので精神科がたくさんある東京で診断書をもらって12月に受けるつもりだ。早く罠にかかったイノシシを槍で突きたい。