サーカスに行ってきたよ
8月になりました。
中学高校時代は8月ってもっとわくわくしてた気がするんですよ。
7月20日くらいから夏休みが始まって、8月1日を迎えたとき、ああいよいよ夏休み本番だな、と実感するんですよね。
8月を迎えるころには学校の毒気が抜けて自分がけたたましい蝉時雨の夏にいるんだとようやく理解できるようになるんです。
清澄たる季節の中で夏の手触りを感じながらカレンダーをめくるようにいとおしい1日が始まって終わるんです。
しかし今はどうでしょう。
私は日がな一日家に引きこもって龍が如く0のキャバクラ経営をしています(14億稼ぎました)。
「ぼくのなつやすみ」ならば田舎のおじさんの家に泊まりに行きカブトムシを捕まえたり年上の従姉妹のお姉さんにときめいたりするきらめきの夏が待ち構えているはずなのにどういうことでしょうかこれは。
私の気持ちとは反比例してキャバ嬢はめきめきと育っていきますしお店の売り上げもガンガン伸びるのでまぁそれはいいんですが、なんか夏っぽくない。
俺の夏休みは"休み"であって"夏"ではない。
おしなべて灰色で夏が脱色されている。
なんか要素がほしい、夏の要素が。
夏の要素といえばとりもなおさずイベント的なものです。
私はゼミの教授からとあるチケットをもらったことを思い出しました。
それはサーカスのチケットです。
サーカスって超オシャレじゃないですか。
そんなチケットをくれるなんてハイセンスすぎる。
USJよりオシャレですよなんか「わかってる」感じで。
チケットは2枚あって、同じゼミの人が友達と行くからって2枚とも欲しがったのですが俺サーカス大好きだからって強引に押し切って1枚をもぎ取るように獲得しました。
ゼミの人はポカンとしてました。
小学生のころに母親とサーカスに行って、そのノスタルジアに衝き動かされただけで別に大好きでも好きでも嫌いでもないんですがどうにか非日常のチケットを手にしました。
ゼミは自分と教授以外全員女子なのでなんか女子同士でサーカスを観てお茶を濁すみたいなサーカスの消費のされ方がなんか嫌いなのでそう意味での抵抗でもありました。
サーカスは個人で感動するものだと思います。
そういうわけで先日京都競馬場の駐車場で催されてる木下大サーカスに行ってきました。
1人でサーカスに行くなんて俺はとんだピエロでした。
列に並んでいると後ろのカップルがなぜかお互いのヘソの位置を当てるゲームをし始めて夏の陽射しが人を狂わせたのを目の当たりにしました。
他にも2歳くらいの子どもが他人のつま先を踏んで歩くゲームを考案していて、ここには狂った奴しかいないことをまた確認しました。
汗をダラダラかきながら入場すると、ライトの光がチカチカ眩しくて非日常感がすごかったです。
ステージ背面の自由席に座りました。
おかげでメインのホワイトライオンのショーは背中しか見えませんでしたが目の前にライオンがいるっていう状況そのものがおもしろかったのでよかったです。
ライオンの他にもシマウマやキリンやゾウなんかが登場してちょっとした動物園でした。
ゾウの二足歩行はマジですごかったです。
動物だけではなくピエロやたくさんのパフォーマーが登場しましたが、そのどれもがすごく、定番のジャグリングや空中ブランコが見れてよかったです。
サーカスを見てて思ったのは注意のそらし方が上手いということです。
下で片付けをしているときは上で演者がパフォーマンスを行い、上の大掛かりな演出が終われば下にピエロたちが出てきて観客の目を惹き付けるというような。
その間に次の演目の準備をしたりしててよく考えられているなと感心しました。
こうしたミスディレクションの連続でテンポよく飽きることなくプログラムが進行されているのだなと思いました。
そう考えると注意をそらすためだけに登場するピエロがなんかちょっとかわいそうで、ピエロがメインのサーカスがあったら絶対見に行くのにとピエロにせつなさを感じました。
そしてピエロになりたくなりました。
ジョン・ウェイン・ゲイシーのようにピエロのカッコして子供たちに風船を配るのが夢です。
とめどない変身願望があります。
夏のうちに変身したいです。
まだ自我を保っている間にキャバ嬢を育成しようと思います。