血が出た

右手の親指がささくれてひび割れてそこから血が出てなんだかそこからエネルギー的なものが放出されてしまっているような気がしている。この時期になると右手の親指だけいつもカッサカサになる。身体の末端からボロボロになっていくようだ。もうダメだ。身体があきらめている。そこから皮膚がバリバリとめくれあがってなにか違う自分になってしまうのかもしれない。血が出るとなんだかわくわくする。あー、ちゃんと血が出るんだ。正常な反応だ。ところで指から血が出てもかっこよくない。自分なりに血が出るとかっこいい場所とかっこよくない場所というものがある。流血の美学である。血が出るとかっこいい場所は腕である。ドクドク流れる血が固まって腕に植物のつるのような模様をつけるのがかっこいい。高校時代はなにかにつけて出血するスポーツをやっていたのでよく血が出た。血が出たときはかっこいいので基本的にそのままにしていた。反面血が出るとかっこよくないのはとりもなおさず鼻である。鼻、ノーズ、顔の真ん中にあるやつ。あそこから血が出るとよろしくない。だって血が流れた跡がかっこよくない、赤い鼻水だよあれは。間抜けだ。本来出血しないようなとこから出るのがかっこいいのに鼻水じゃなくて血も出せますみたいな優等生ぶった鼻がきらい。やっぱり内出血より外出血のほうがかっこいい。でも血は吐いてみたいなと思う、かっこいいから。

最近はびっくりするくらい同じ服しか着てない。ジーンズとセーターとコートである。あとはそれにマフラーをつける。加えて手袋もつける。フランス軍の放出品の黒い革の手袋である。
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これはかっこいい。かっこいいぞ。殺し屋みたいな手袋がほしくてずっと探していたので見つかったときは運命かと思った。殺し屋のオーラ以外にもこの手袋はすごくて、なんだか知らないけどこの手袋を着けたままでもスマホが操作できてしまうのだ。ホントによくわからない。革なのに。特別な加工が施されているわけでもないのにどうしてなんだろうと思う。スマホを操作するのに手袋を外す必要がないなんてどこまでも殺し屋ライクでステキだ。保湿性も高いのでささくれた親指ちゃんをやさしく温めてくれる。ステキだ。

自分が身につけるものを選ぶ基準として○○っぽい、というものがある。よく着てるコートは浮浪者っぽいと思ったから古着屋で買ったやつで、マフラーは盗賊っぽいと思ったからインドで買って、手袋は殺し屋っぽかったから怪しげな通販で買った。アメカジ系とかキレイめ系とかはよくわかんない。ファッションわかんない。今でも大学でごく稀に半ズボンはいてる人を見かけるけどわんぱくだなぁと思う。オシャレは我慢なのだろうか。
あと他に気になるのは帽子である。ハットっていうのだろうか、あのつばがあるやつ。ジョジョスピードワゴンみたいに帽子に刃でも仕込んでない限りあんなのいらないと思う。自分は帽子はかぶらない。まるで実用性にかける。授業中くらい帽子脱いだらいいのに。

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盗賊っぽい。

バイトがつらい。接客なのだがどうにもうまくいかない。話ができない。話題うんぬんより相手にそんなに興味が持てないことが原因だと思うのだがそんなこと言いだしたらおしまいだ。
「自分がされてうれしいことを相手にしてあげる」ことがおもてなしである、というふうに言われたけどそれは本当なのかと思う。自分は飲み屋とかでは話しかけられたりするのはイヤで、ひたすら放っておいてもらってボーッとしながら何も考えずにお酒を飲むのが好きなのだけれど、たぶん今働いてるとこで自分がされてうれしいことを相手にしてあげたら怒られると思う。自分がされてうれしいことは放っておいてくれることだ。その時点でロジックは破綻している。自分がされてうれしいことは必ずしも相手がされてうれしいことではない。自分がされて嫌なことを相手にしないというのはなんとなく理解はできる。嫌なことの閾値というのはあまり変わらないものだからだ。自分がされてうれしいことを他人に押し付けるのはなんだか独善的で気に入らない。けどそこのバイトのひとたちはみんないいひとなのでそれゆえ対応に悩む。つらいつらいといって何がつらいのかと言われたらうまく答えられないけど何がつらいのかを解消しようとしてつらい部分にじっくりとフォーカスすると余計につらくなる気がするのでただやり過ごす。

口癖が絶対殺すからもういやだになってしまった。変な方向にアクティブだったころよりかは落ち着いたかと思うがやたら厭世的なのも考えものである。自殺念慮はないから大丈夫だ、たぶん。わくわくするような何かがほしい。彼女とか恋人よりただ普通に友達がほしい。