バーレスク東京に行った

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今日は友人とバーレスクを見に行った。

 

バーレスクとはセクシーな衣装を着たダンサーたちによる華やかなダンスショーである。SNSなどで見て、かねてから興味があったので友人と訪れた。プランはステージ最前列の「ど迫力プラン」(6,480円)。思いのほかリーズナブルで驚いた。

 

感想から言うとすごかった、感動した、こんなにも素晴らしいものがあったのか。身体の芯に響くほど爆音で音楽が流れ、目がくらむほどギラギラとした照明に最初は面食らったものの、すべての要素が渾然一体となった素晴らしいショーだった。いかがわしい偏見なんて一気に霧散してしまう。

 

キャストはみな本当にきれいで、露出の多い服装をしつつも少しも下品さを感じさせることはない。指先から爪先まで清潔な肉体美があった。なだらかな曲線、膨らみ、人間の身体はこうも美しいものだったかと思う。演目はヒップホップやEDMなど目まぐるしく変わり、展開に息つく間がないほど。ダンサーたちはそれぞれの演目で違った動きを見せる。躍動する。

 

場内も沸く。あちらこちらから歓声が上がり、申し合わせたかのように揃った手拍子がショーに彩りを添える。

こういう場所では楽しみ方の作法があって、その場のうねりに身を任せて身体を揺らして声を上げるほうが適切で正しいのだろう。私は大きく声を上げてはしゃぐのは正直苦手だが、今日だけは自分なりにはしゃいだ。その場のムードやトーンに素直に乗ったほうが楽しい。そう思う。恥ずかしがって腕を組んでうつむいているようではつまらない。ダンサーやMCのかけ声に合わせて出すと、自分がショーに参加しているようでまた違う楽しさがあった。コール&レスポンスだ。

 

ショーが終わり、ダンサーたちがフロアに降りてのグリーティングが始まる。写真撮影や会話、場内専用通過「RION」をチップとして渡すことができた。さっきまで舞台にいた人たちが自分の近くを通りかかると、本当に自分はここにいていいのだろうかと不安になる。ステージの演者が絶対的な「聖」で、ただの観客の自分は歯牙にもかけないような「俗」であるのだから本当に混ざりあっていいのかという考えが自分の中にある。

 

だがバーレスクの人たちは優しい!

フロアを回ってほぼ全員のところまで来てくれるのだ。握手をしたりハイタッチをしたりする。衣装にチップを挟んで渡し、一緒に写真を撮ってもらった。本当にきれいな人たちで顔がにやけてしまう。普段自分の写真は撮らないが、あとで写真を見返すととてもいい顔をしていた。とにかく楽しかった。

 

会場を出たあと友人と安い中華屋に入って余韻に浸った。話をしてももうお互いに最高という言葉以外出てこない。ボキャブラリーが喪失するほどたまらなくよかったのだ。会場での興奮が抜けておらず、ふわふわと心地よい浮遊感が続いていた。まるで夢を見ていたみたい、と友人に話したら無言でうなずいていた。語りえない、とても語りきれないものに対しては沈黙する。口に出すと思い出が陳腐になってしまうような気がして、あの高揚感がこぼれ出さないようにそっと抱きすくめておくほかなかった。

 

最初は冷やかしの見物のつもりだったが、素晴らしいショーにとても感動した。きっとバーレスクで救われる人はいるし、みんなに活力を与えてくれる。ショーの最中にディスプレイに写された「生きることに熱狂を」という言葉が印象に残っている。ぜひまた訪れたい。

 

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