冷蔵庫の中に中途半端にほっといたえのきだけが冷蔵庫の中の小さな灯りに向かってぐんぐん伸びていた。
彼らは生きていた。
彼らは冷たい牢屋の中でなお懸命に生きようとしているのだ。
希望を捨ててはいなかった。
美味しんぼに光に向かって伸びる植物の映像を見てなんかみんな感動してるシーンがあるけど雰囲気はそんな感じでびっくりした。
我々はえのきだけだ。
社会という凍える牢屋に閉じ込められ誰かが設定したレディメイドの幸せをたどるのだ。
その姿は冷蔵庫の中で人工の光に向かって伸びるえのきだけに似ている。
(写真ではこっち向いてますが実際はあっち向いてました)
ちなみにこのえのきだけはもやしと炒めて食べました。