歌舞伎町にある「のぞき部屋 マドンナ」に行ってきました。
けっこう目立つ所にあります。(写真は夜)
TOHOシネマズの真向かいにありながら実態は謎です。
誰かの所作立ち居振る舞いを本人に感知されることなく見ていたい、そういう窃視願望が誰しもあるはずでもちろん自分もそのひとりだからです。
だからのぞきます。
店名がメイリオと明朝体で書かれています。絨毯を通り抜け、地下へ。
階段を下りるとすぐに受付に突き当たります。店内は狭く、カウンターはパチンコ店の景品受け取り口のような小ささ。地上の賑やかさに比べ、地下のあまりの静けさに拍子抜けします。受付には神経質そうな店員の姿。そしてカウンターの下には大きな文字で「盗撮は罰金50万円」との記載。なんだか異空間に迷い込んだ気分です。
料金は一般2,100円、学生は学割が効いて1,600円です。まさか学割が効くとは。のぞき部屋は学生にやさしいですね。
料金を払い終えると店員からシステムの説明を受けます。「お客様は個室に入っていただき15分ほど女の子のショーを鑑賞します」「オプションは手が2000円、口が3500円です」やっぱりオプションがあるんですね、ただのぞくだけではなかった。そして「撮影できるものは全て預けてください」と機械的に警告されます。「デジカメは?パソコンは?他はない?」厳しくチェックされます。そこらへんはかなり厳格なようです。スマートフォンを預け、引き換えのプラスチックカードを受け取ります。
店員にホントに50万円払った人はいるのかと聞くと、「いますよ」とのこと。いるんだ。「払ってもらうのではなく払わせる」のだそうです。こわい。女の子が盗撮され、身バレなどしてお店を辞めてしまったら大きな損失になってしまうそう。50万円でも全然足りないと聞きました。のぞかれ相場が全然わかんないので何とも言えないのですがきっとそうなのでしょう。
待合室へ
待合室に通されます。人が3人ほど入ればいっぱいになってしまうほどの狭さ。ブラウン管のテレビには古いAVが垂れ流しにされています。
パイプ椅子に腰掛け、正面を見るとそこには過去に盗撮で捕まった人たちの詫び状がびっしりと貼り付けられていました。乱暴に書かれたものや異常に小さい字で書かれているもの、筆跡で性格が読めるとはよく言いますが、こんなところでそれを感じることになるとは思いもしませんでした。顔写真に免許証、住所など全てが晒し上げられています。泣きそうな顔、感情のない顔、カメラを恨めしげに睨みつける顔、顔、顔、顔。その人たちが今どうしているかはわかりません。別室も含めて20枚ほどでしょうか、異常な光景でした。まだショーは始まっていないのに。
垂れ流しのAVは次の絡みに差し掛かりました。年増の女優が網のシャツを着せられ胸をまさぐられています。今どきそんなAVある?女優の胸にローションがかけられ大写しになったときカーテンの奥の暗がりから「次のお客さんどうぞ」との声が。
個室へ
個室へと案内されます。中は薄暗く、身動きができないほどの狭さ。
席に座り、目の前の小窓から鑑賞するようです。マジックミラーになっており、向こう側からこちらの様子が見えないようになっているそうです。ステージを囲み、U字型に個室が設置してあります。もちろんマジックミラーなので向こうの客の様子はわかりませんが、看守を含め互いに監視しあうパノプティコン型牢獄のようだと思いました。
中央に看守、個室に囚人が入る
中にはティッシュとゴミ箱が備え付けられています。自分で処理してもいいということでしょうか。ゴミ箱の中を確認するといくつかティッシュの玉があったのでやはりそういうことをする人はいるんですね。少しわくわくします。照明が暗転しショーが始まりました。
音楽はなぜかメタル、いよいよキャストが登場します。
ショータイム
年増のおばさんでした。顔は人妻モノに多く出演するAV女優、相田ゆりあに似ていました。他にも若い子はいるのでしょうが、のぞき・のぞかれの逢瀬はおばさんでした。
こんな顔
上半身はクリスマスの時期だったためかサンタ服、下半身は使用済みパンツガチャ(あれはやらない方がいいです)で出てくるようなパンツを着用、ビロビロのペラペラのおばさんです。
こんな感じのやつ
おばさんがクネクネと妙な踊りを始めます。腰をくねらせお尻を突き出し我々を挑発します。お尻がガリガリの人の頰みたいにこけていて、なんだか年齢を感じさせてくれます。おばさんは個室で見ている人それぞれにサービスをします。とうとう私の前に来ました。腰をくねらせ私を挑発します。その光景を私は見ています。何も興奮することもなく。しかしマジックミラー越しにおばさんと目があったときは少しドキッとしました。向こうからこちらの様子はわからないはずなのに。まさにのぞきの快楽ですね。いよいよショーは佳境に差し掛かります。
突然後ろから声をかけられます。そこには眼前で踊るおばさんの妹のような老け方をしたセミロングのおばさんの姿が。「オプションどうですか」とのことでしたがお断りしました(舌打ちをされました)。手コキが2000円だそうです。あなたは2000円あったら何をしますか?
小窓の向こうのおばさんはその隙にどんどんヒートアップしていきます。おばさんが上の服を脱ぎ、乳首を愛撫します。おばさんが感じています。私はおばさんの異常に肥大した乳首に釘付けになってしまいました。ここで、鏡張りのステージで何百何千もの愛撫を続けてきたのでしょう。目の前の両乳首に歴史を感じざるを得ませんでした。乳首をひと通り触るとおばさんの細長い指が下をまさぐり始めます。
ゆっくりとパンツをずらし、中指がおばさんの大事なところを撫ぜます。ゆっくり、またゆっくり、円を描くように。おばさんは指で秘部を開帳したりもするのです。しかしながらそこに官能さを感じることはありませんでした。福耳のように伸びた小陰唇が邪魔をしたからです。
ここで音楽が変わり、メタルから喘ぎ声に変わります。別におばさんが喘ぐわけではなく、ただ喘ぎ声がBGMになっただけです(なんなんだ)。おばさんは依然として陰部をまさぐり続けます。先ほどとは打って変わって顔は終始無表情でした。
対象の表情はエロさを演出するにあたり、大きな部分を占めています。照れ笑いであったり顔の引きつりであったり、その表情の妙にエロさを感じるのではないでしょうか。しかしおばさんは終始無表情、どうにかエロさを見つけてやろうと立ち回っていた私もこれには観念しました。もう終わりです。
おばさんは我々を欲情させようとするロボットだったことが明るみに出てしまったからです。乳房を出せば、陰部を出せばこちらが欲情すると思っている。なんとも浅はかです。目の前のおばさんが陰部をまさぐる姿は、もうだらしなくボリボリと股間をかく姿にしか見えなくなっていました。もう終わりです。
音楽が転調します。今度は喘ぎ声から「イクッ……イクッ………」という絶頂の上ずり声に変わりました。1人で致している人間を射精へといざなう合図でしょうか。だとしたらとても陳腐です。目の前のおばさんロボットを見て、BGMで射精の号令がかかり、オートマティックに射精をする。そうした工程が歌舞伎町の地下で繰り広げられているのです。射精工場です。のぞき部屋は。
おばさんのストロークが早くなりました。しかしもう股間をボリボリかく姿にしか見えません。ブユに刺されたのでしょうか。おばさんは無表情のまま高速で指を動かします。やっぱりロボットでした。
音楽は終わり、おばさんがステージを出ていきます。後には消臭元と消臭スプレーが残されました。やっぱ臭いんだな、だから消臭スプレーがあるんだ、と余計なことを考えてしまうのでやめてほしいですね。一気に興ざめしてしまいます。
まとめ
個室を出て、預けたケータイを受け取り外に出ます。外ではカップルが手をつないでいたり、キャッチが誰かに声をかけたりといつも通りの光景が広がっていました。
しかしこの階段を下りればそこはまさに異境、日常の中の非日常が広がっています。行くといいです。楽しかったので私は疲れたらまた行くと思います。
のぞき部屋 マドンナ
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